嵐の夜に…

 強風が吹きすさび、締め切った窓の隙間から吹き込んだ風がカーテンを揺らす…
 突然、ドアがノックされる…
 ドアの外には、宿のオバチャンが立っていた。
「今夜停電するかもしれないから、シャワーは早めにしてくださいね」
「あと、窓は絶対あけないで…」
 懐中電灯を置いて、オバチャンは去って行った。
 風音と、台風に備えて何かを打ち付ける音が、宿の中に響いていた…