電脳コイルとミクスチャー・リアリティ

業界用語?では、コンピューターの生成する映像と、カメラなどで撮影した現実の風景を合成して人間の視覚に投影する技術を「ミクスチャー・リアリティ」と呼ぶ。
電脳コイル」は、メガネ型デバイスをかけると、現実とピッタリ重なりあって存在する電脳空間が見えるようになる、まさにミクスチャー・リアリティが社会インフラとして当たり前に整備された世界が舞台となっている。
現在、実験室レベルのテクノロジーが、(親が買い与える事に躊躇しなかったり、授業中に使っても何も言われないくらい)小学生にとって当たり前な、ちょっと未来のお話なのですが、これがめっぽう面白い。

ただ、これから明かされるかもしれませんが、疑問点も多くあります。

「サッチー」やイタズラ用のミサイルとかは、たとえ人間に当たったとしても、バーチャルなオブジェクトである以上、メガネを外すとか、電源を切れば、リアルな体にはまったく影響がないし、逃げる必要性がまったくない…(メガネが壊れると言う被害はあるかもしれないが…)
つまり、メガネを着用して電脳世界を覗きこまなければ存在しない仮想現実が、あたかも現実の肉体に損傷を与えるかのような描写になっているところが、少し気になるのです。