「どろろ」ネタばれ感想★★☆☆☆

FrisbeeDolphinM2007-01-29


まず柴咲コウの「どろろ」の発音ですが、納得できない;
個人的には、「ど」にアクセントがあり、『隣の“トトロ”』と同じ語尾が下がる発音だと思うのです。
でも映画では、食べ物の「とろろ」と同じように、語尾が上がってるんですな。
TVCMでもそこに引っかかっていたのですが、慣れませんでした…

作品としては、多宝丸?の下りがギャグにしかなってないというか、親子の情を描こうとして大失敗してますな。
原作では、どろろを第2次性徴期前の子供として描き、物語のラストで少女だと分かっる仕掛けだったはずなのに、初めから女と分かる柴咲コウを「どろろ」に据えたのなら、もう少しアレンジの仕方があったのでは?
例えは、百鬼丸が常人とは違う視覚で世界を捉えていることを強調し、目を取り戻した時に「どろろ」の女としての美しさにハッとするとか…
親子の情を描くのであれば、百鬼丸が父を殺した後に右手が元に戻り、(半泣きになりながら)刀の「百鬼丸」をどろろに差し出すが、どろろは受け取らず「そんなもんもういらねーよ!泣くなよ!」と言いながら「女として」百鬼丸を抱きしめ、「そんなに恋しいなら、俺がお前の母ちゃんになってやるよお!」と号泣する…とか…
いずれにせよ、親子関係なんて色気出すから、アクションのテンポを殺して、眠い映画になってしまっているのです!
―――
2007/1/30追記
この映画で一番だめなのは、脚本家や監督が抱いている魔物や悪、あるいは死に対する考察不足(感性麻痺)だと思う。
(死を考える事は、逆説的に生を考える事でもあるから…)
もしそうでなければ、魔物によって死から蘇った多宝丸が、死ぬ前よりいい人になってしまうなんてギャグ?を、はずかしげも無く採用するはずがないぢゃないですか。
故障した部品を交換すれば、死んだ人間でも生き返るみたいな考えでは、人の心を熱くする話は作れないと思うのです!
魔物によって翻弄される人々の話なのに、登場する魔物が(考察不足で…)怪獣や珍獣レベルであるところがなんとも…