アリス・イン・ワンダーランド<ネタばれ感想>

アリス・イン・ワンダーランド オフィシャルガイドブック (ぴあMOOK)
■あらすじ
19歳になったアリスは、父の事業パートナーである貴族のパーティーに呼ばれる。
 
 不倫をしている姉の婿。
 白馬の王子様を夢見る老いたおばさま。
 無邪気な?双子姉妹・・・
 
出席者全員に見守られながら御曹司から求婚されたアリスは、言葉を濁しその場から逃げ出した。
アリスは庭をさまよううち、誘うように走るウサギを見つけて追いかけはじめる。
そして誘われるように穴に落ち、再びワンダーランドへ到着する・・・

■感想
この映画は、決断の物語でした・・・

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19歳のアリスにとって、大好きな父が死に、冴えない貴族のぼんぼんに求婚されている現実は、ある意味「悪夢」を生きているようなもの。
そんなアリスだからこそ、再びワンダーランドを訪れる事になった・・・というか、アリス自身がワンダーランドを呼び寄せたのではないでしょうか?
アリスにとって、ワンダーランドは「悪夢」と同義語でしかないのですが、腕をつねっても覚めない悪夢=ワンダーランドは、バンダースナッチによって右腕に爪痕を残されたとしても、現実よりも過ごしやすい世界なのでしょう。

原作の「不思議の国のアリス」では、ワンダーランドを冒険したアリスは、姉の膝枕で(ワンダーランドを、夢の世界の出来事として)目を覚ますわけですが,
本作の「19歳になったアリス」は、膝枕をしてくれた姉は貴族と結婚してはいるけど夫に不倫されているし、白馬の王子を夢見る「おばさま」は、容色衰えた結構なお年だし、子供のころのように何の不安もなく、夢見るような毎日を送れるはずもないわけです。
なので、本作のアリスは、ワンダーランドという「現実世界」で冒険をし、決断をします。
その結果、すべての迷いをふっ切り、勇者としてワンダーランドを後にすることになります。
「現実世界」に戻ったアリスは、他人に流される生活と決別し、(ちょっと毒舌?になって;)自分の足で人生を歩み始めるわけです。
ワンダーランドという「現実世界」・・・
それは、ラストシーン近くのアリスの右腕をよく見れば分かります。
そこには、バンダースナッチにつけられた傷が、むしろ誇らしげに輝いているのだから。

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な〜んて御託はこの辺にして、もっとざっくばらんに書きますと・・・
IMAX版の字幕版を見たのですが、ワンダーランドにふさわしく、色彩豊かな登場人物たちが立体で、3Dで、飛び出しまくりです!すばらしい!!
アバターIMAX版(吹き替え版)で見たのですが、舞台が惑星だけに、手前に対象物がない画面構成が多くて、正直あまり3Dには見えない部分が多かったのですが、アリス〜は、そのあたりの計算が行き届いているように感じました。
ただ、字幕が・・・
読みにくくはないのですが、黄色っぽい色だったため、背景の色とかぶって読みにくい場面があったり、画面の下1/3あたりにでるので、主人公の顔にかかったりしてちょっと残念でした。
字幕の位置を下げるなど、もう少し工夫してほしいものです。
登場するキャラクターでは、やはりチェシャ猫が一番好きですな。ふわっと立体的に現れ、消えていく様がすばらしい!
一家に一匹ほしいものです。
あと、白の女王様!
そこにいるだけで、何もしないのですが、終始バレーを踊っているいるような、現実感のない様は、浮世離れして美しかったです。
お勧めです!(もちろん3D版!)

◆参考(Webで公開されている不思議の国のアリス:翻訳)
http://www.genpaku.org/alice01/alice01j.html
◆参考(Webで公開されている鏡の国のアリス:翻訳)
http://www.genpaku.org/alice02/alice02j.html